- 概要
- dsPIC33AK128MC106シリーズの型式について
- 主な強化点
- まとめ
- 追記①(24/7/19)
- 追記②(24/7/21 , 24/7/29)
- 追記③(24/7/24) 移行と性能向上ガイドが発表
- 追記④(24/7/25) Microchip Directから開発ボードが到着!
- 追記⑤ (24/7/30) dsPIC33AK128MC106公開
- 追記⑥(25/4/23)dsPIC33AK512MPS512ファミリ出荷直前?
- 追記⑦(25/4/25)dsPIC33AK512MPS512 Family Programming Specification
- 追記⑧(25/5/3)Packs追加
- 追記⑨(25/5/19)エラッタ公開
- 追記⑩公式ページ公開(25/5/23)
- 追記⑪dsPIC33AK512MPS開発ボード販売開始(25/6/14)
- 追記⑫ デジタル電源プラグインモジュールの追加
概要
本記事では、Microchip社の高性能16ビットマイコン「dsPIC33AKシリーズ」について、その特徴や機能、従来シリーズとの違いをわかりやすく解説します。リアルタイム制御やデジタルシグナルプロセッシング(DSP)機能を強化したこのシリーズは、モーター制御や産業機器への応用に最適です。これからdsPIC33AKの導入を検討している方や、概要を把握したい方に向けた内容となっています。
更新履歴
| 更新日 | 更新内容 |
| 24/7/4 | 初版公開 |
| 24/7/19 | Pack情報追加 |
| 24/7/21 | DIMボード情報追加 |
| 24/7/24 | 移行と性能向上ガイドが発表 |
| 24/7/25 | CuriosituBord 到着 |
| 24/7/29 | DIMボード情報更新 |
| 24/7/30 | dsPIC33AK128MC106データシート公開 |
| 25/4/23 | 追記⑥(25/4/23)dsPIC33AK512MPS512ファミリ出荷直前? |
| 25/4/25 | 追記⑦(25/4/25)dsPIC33AK512MPS512 Family Programming Specification |
| 25/5/3 | 追記⑧(25/5/3)Pack追加 |
| 25/5/19 | 追記⑨エラッタ資料追加 |
| 25/5/23 | 追記⑩公式ページ公開 |
| 25/6/14 | 追記⑪dsPIC33AK512開発ボードの販売開始 概要文更新 |
| 25/7/5 | 追記⑫デジタル電源プラグインモジュールの追加 |
dsPIC33AK128MC106シリーズの型式について
・dsPIC33AK32MC102
・dsPIC33AK32MC103
・dsPIC33AK32MC105
・dsPIC33AK32MC106
・dsPIC33AK64MC102
・dsPIC33AK64MC103
・dsPIC33AK64MC105
・dsPIC33AK64MC106
・dsPIC33AK128MC102
・dsPIC33AK128MC103
・dsPIC33AK128MC105
・dsPIC33AK128MC106
主な強化点
■演算機能の大幅強化
・CPUクロック高速化(100→200MHz)
・16bit/32Bitエンコード、32bitデータバス
・単精度・倍精度FPU搭載
・33×33ビット乗算器搭載で符号付きおよび符号なし、32 ビット x 32 ビット、または 16 ビット x 16 ビットの整数乗算を1 サイクルで実行
・DSPエンジンは72bitアキュムレータ搭載
>CKシリーズと単純な比較はできませんが、アプリケーションによっては2~5倍以上高速化になると思われます。
■アナログペリフェラルの大幅強化
・ADCの超高速化(3.5Msps→40Msps)
・アナログオペアンプの強化(帯域20MHz→100MHz、オフセット調整追加)
・全チャンネルADフィルター、ADコンパレータ搭載
・アナログコンパレータの強化(応答15ns→5nsec)
・内蔵DACのINL、DNL補正機能追加
・電流ソースの強化(50μA固定 → 30~200μAから選択)
Microchip社の非常に強いこだわりが感じられます。40Mspsという速度はもはやサンプル毎に信号処理は不可能と思われます。そのため、全チャンネルへのADフィルター・ADコンパレータ搭載しており、基本的にはオーバサンプリング、もしくは高速デジタルコンパレータして使用する前提なのだと思います。
■リアルタイムデバッグ
「non-intrusive access and real-time data exchange with application」と記載が有ります。直訳すると「非侵入型アクセスとアプリケーションとのリアルタイムデータ交換」となります。
従来のdsPICや8bitPIC系の欠点の一つとしてデバッグ時にリアルタイムに内部値が見れないという点がありました。そのためUartなどを用い「DataVisualiser」と「X2CScope」というツールでデータの可視化などをしていたのですが、恐らくですがハードウェアで(CPUの負荷なしで)変数などの値がモニタ出来るものだと思われます。
X2CScopeの使い方 – ぴくおの電子工作的な何かWP (electricpico.com)
(24/8/16 追記)データシートを確認したところ、「debug RAM」という不明な領域は確認できましたが、「リアルタイムにデータ交換ができる機能」は搭載されていないかもしれません。Microchip社が「リアルタイム」と言っているものが何を指しているのかは不明ですが、従来の33CKにも同様の記載があったためです。この点については、引き続き調査を続けます。
dsPIC33CK64MC105 Family Data Sheet (microchip.com)
■BiSSインターフェースのサポート
BiSS(双方向同期シリアルインターフェース)がPIC系で(恐らく)初めて採用されました。これはエンコーダ向けに開発されたインターフェースで、最高10Mbpsの遅延補償付き通信プロトコルでCRCによるエラー検知が可能なインターフェースとの事です。
BiSS Association e.V. – BiSS Interface (biss-interface.com)
■ペリフェラル・アクセス・コントロール
重要なペリフェラルの不用意な起動や停止を防ぎます。
■DMAの強化
ピンポンモード、パターンマッチング、チャンネルチェイン、ビット操作機能の追加
■I/Oインテグリティモニタ
機能安全アプリケーション向けにI/Oの障害を検出
■パフォーマンス・モニター・ユニット
コードの実行時間を定量化する。
■セキュリティの強化
セキュアブート、IRT、Code Access Protect、ICSP Program/Erase Disable、Flash OTP、Flash Code Partitioningなどのセキュリティサービスをサポート
■非搭載の機能
・CAN/CANFD
・高速PWM
残念ながらこのMC系はCANが付いていないようですが、今後CANなどが搭載されたモデルも発売されると思われます。
その理由として開発ボードにはCPUがドータボードとして搭載されるようになっているのですが、CAN-FD用のトランシーバが載っている為です。
またRMII INTERFACE用のコネクタも有りますのでイーサネットコントローラやQSPIも搭載されてくると思われます。
ICD5のdevice_support.xmlサポート型式を見ると以下の型式がリストアップされていました。
過去のMicrochip社の名前の付け方として恐らく以下の様な区分けになるのかと予想されます。
■MCシリーズ(モータコントロールメモリ強化 + CAN付き(5xx))
・dsPIC33AK256MC205
・dsPIC33AK256MC206
・dsPIC33AK256MC208
・dsPIC33AK256MC210
・dsPIC33AK256MC505
・dsPIC33AK256MC506
・dsPIC33AK256MC508
・dsPIC33AK256MC510
・dsPIC33AK512MC205
・dsPIC33AK512MC206
・dsPIC33AK512MC208
・dsPIC33AK512MC210
・dsPIC33AK512MC505
・dsPIC33AK512MC506
・dsPIC33AK512MC508
・dsPIC33AK512MC510
■MPシリーズ(モータ&電源制御)
・dsPIC33AK256MP205
・dsPIC33AK256MP206
・dsPIC33AK256MP208
・dsPIC33AK256MP210
・dsPIC33AK256MP212
・dsPIC33AK256MP505
・dsPIC33AK256MP506
・dsPIC33AK256MP508
・dsPIC33AK256MP510
・dsPIC33AK256MP512
・dsPIC33AK512MP205
・dsPIC33AK512MP206
・dsPIC33AK512MP208
・dsPIC33AK512MP210
・dsPIC33AK512MP212
・dsPIC33AK512MP505
・dsPIC33AK512MP506
・dsPIC33AK512MP508
・dsPIC33AK512MP510
・dsPIC33AK512MP512
■MPSシリーズ(モータ&電源制御 + セキュア?)
・dsPIC33AK256MPS205
・dsPIC33AK256MPS206
・dsPIC33AK256MPS208
・dsPIC33AK256MPS210
・dsPIC33AK256MPS212
・dsPIC33AK256MPS505
・dsPIC33AK256MPS506
・dsPIC33AK256MPS508
・dsPIC33AK256MPS510
・dsPIC33AK256MPS512
・dsPIC33AK512MPS205
・dsPIC33AK512MPS206
・dsPIC33AK512MPS208
・dsPIC33AK512MPS210
・dsPIC33AK512MPS212
・dsPIC33AK512MPS505
・dsPIC33AK512MPS506
・dsPIC33AK512MPS508
・dsPIC33AK512MPS510
・dsPIC33AK512MPS512
■汎用モータ?+5V+セキュア
・dsPIC33AKV512GMS505
・dsPIC33AKV512GMS506
・dsPIC33AKV512GMS508
・dsPIC33AKV512GMS510
それともう一種類、非常に凄く気になる型式が有りました。気になる人は調べてください。
まとめ

| dsPIC33E (GSシリーズ) | dsPIC33C (Kシリーズ) | dsPIC33AK (MCシリーズ) | dsPIC33AK (2nd Generation) | |
| CPUクロック(MHz) | 70 | 100 | 200 | ← |
| 命令幅(ビット) | 16 | 16 | 32 | ← |
| パイプライン(Stage) | 1 | 1 | 5 | ← |
| 作業レジスタ | 16×16ビット | 16×16ビット | 16×32ビット | ← |
| 代替コンテキスト | 無し | 4 | 7 | ← |
| ページングレジスタ | 有り | 有り | 無し(直接アドレス) | ← |
| FPU | 無し | 無し | 単精度/倍精度 | ← |
| DSP | 2 X 40bitアキュムレータ | 2 X 40bitアキュムレータ | 2 X 72bitアキュムレータ | ← |
| Flash(kB) | 最大128 | 最大512 | 最大128 | 最大512 |
| RAM(kB) | 最大8 | 最大64 | 最大16 | 最大64 |
| ADCユニット搭載数 | 5 | 5 | 2 | 5 |
| ADC分解能(bit) | 12 | 12 | 12 | ← |
| ADC変換速度(Msps) | 3.25 | 3.5 | 40 | ← |
| ADCフィルタ | 無し | 4 | 全チャンネル | ← |
| ADCコンパレータ | 無し | 4 | 全チャンネル | ← |
| 高分解能PWM(ペア) | 8 | 8 | 4 | 8 + 4 |
| PWM分解能(ps) | 1040 | 250 | 1250 | 78 |
| PWMタイムベース | 16bit | 16bit | 20bit | ← |
| アナログコンパレータ チャンネル数(ch) | 4 | 6 | 3 | 8 |
| アナログコンパレータ 速度(nsec) | 15 | 15 | 5 | ← |
| オペアンプチャンネル数(ch) | 2(PGA) | 3 | 3 | 3 |
| オペアンプ帯域(MHz) | 10(X4モード) | 20 | 100 | ← |
| オペアンプスルーレート (V/μs) | 40 | 40 | 40 | ← |
| CLC | 4 | 4 | 4 | 10 |
| dsPIC33CK | dsPIC33AK | |
| クロックソース | 最大5 | 最大6 |
| クロックジェネレータ | 0 | 最大16 |
| ディバイダ | 共通1 | ジェネレータにつき1 |
| バックアップクロックソース | 固定 | 可変 |
| フェイルクロックモニタ | 共通1 | ジェネレータにつき1 |
| クロックインジェクション | 無し | ジェネレータにつき1 |
| クロックモニタ | 無し | 最大4 |
追記①(24/7/19)
MPLAB X IDE のPacks更新で遂にdsPIC33AKのデバイスが追加されました。これで新規プロジェクトで、デバイスが選択できるようになりました。
今日現在データシートは公開されていないため、ヘッダーファイルからレジスタを抽出してスタートアップファイルを作成しています。
追記②(24/7/21 , 24/7/29)
Microchip Direct でCPUボード2種類(DIM ソケットタイプ)とベースボードが購入できるようになっていたので、早速購入しました。
CPUボード①:EV68M17A | Microchip Technology (microchipdirect.com)
CPUボード②:dsPIC33AK128MC106 General Purpose Dual In-Line Module (DIM) | Microchip Technology (おすすめ)
ベースボード:EV74H48A | Microchip Technology (microchipdirect.com)
私は最初にCPUボード①を購入しましたが、残念ながらこのボードではベースボード(EV74H48A)に搭載されている特定の部品(ポテンショメータやスイッチ、フルカラーLED)との接続がうまくいきませんでした。
EV74H48Aとセットで使用する場合は、CPUボード②(EV02G02A)の購入を強くおすすめします。私自身も結局、CPUボード②を購入し直しました。これにより、ベースボードのすべての機能を最大限に活用できます。
なお、CPUボードはもう一つ発売されていますが、これはDP PIMソケットとなっており、従来のDIGITAL POWER DEVELOPMENT BOARD向けの製品になっていると思われます。
CPUボード:EV67K87A | Microchip Technology (microchipdirect.com)
ベースボード:DIGITAL POWER DEVELOPMENT BOARD | Microchip Technology
追記③(24/7/24) 移行と性能向上ガイドが発表
MicrochipのサイトからdsPIC33CKとdsPIC33AKの移行と性能向上ガイドが発表されていました。
dsPIC33CK to dsPIC33AK Migration and Performance Enhancement Guide (microchip.com)
追記④(24/7/25) Microchip Directから開発ボードが到着!
待望の開発ボードがMicrochip Directからついに届きました。前回は税関で一時的に止められていましたが、今回はスムーズに受け取ることができました。

しかし、最初は下記の通り書き込みエラーが発生していました。これはベースボード上のPKoB4だけでなく、直接CPUボードにPICKit4を接続しても同様のエラーが発生しました。

書き込みエラーの解決方法
以下の手順を実行することで、無事に書き込みができるようになりました。
- Packsの最新版へのアップデート
- MCCコンテンツの最新版へのアップデート
- プラグインの最新版へのアップデート
- MPLAB X IDEの再起動
どの手順が効果的だったのかは正確には分かりませんが、おそらく3番と4番の手順が有効だったのではないかと思います。
これで問題なく開発が進められそうです。今後も新しい情報があれば共有していきますので、どうぞお楽しみに!
追記⑤ (24/7/30) dsPIC33AK128MC106公開
遂にMicrochip社のWebサイトでdsPIC33AK128MC106ファミリの情報が公開されました。
まだリファレンスマニュアル等が完備はされていないですが、かなりの情報を読み取ることが可能となりました。
webサイト: dsPIC33A Digital Signal Controllers | Microchip Technology
データシート:dsPIC33AK128MC106 Family Data Sheet (microchip.com)
追記⑥(25/4/23)dsPIC33AK512MPS512ファミリ出荷直前?
ついに、待ちに待った第2世代のdsPIC33AKが、まもなく発売されるようです。
現時点ではまだ詳細なデータシートは公開されておらず、全貌は明らかになっていませんが、DIMモジュールに関するデータシートはすでに閲覧可能となっています。
ただし、Microchip Directではまだ直接購入することはできないようです。
dsPIC33AK512MPS512 General Purpose Dual In-Line Module (DIM) Information Sheet
DIMモジュールに関するデータシートから読み取れる変化点は
| モジュール | チャンネル数 dsPIC33AKxxxMC106 | チャンネル数 dsPIC33AKxxxMPS512 |
| ROM | Max 128KB | Max 512KB |
| RAM | Max 16KB | Max 64KB |
| PWMペア | 4ch | 12ch (PWM1~8, APWM1~4) |
| コンパレータ | 3ch | 8ch |
| ADモジュール | 2ch | 5ch |
| IOモニター | 4ch | 24ch ? (IOMA0~IOMA11 IOMB0~IOMB11) |
| 0ch | 32ch ? |
といったところでしょうか。非常に期待が持てますね!
追記⑦(25/4/25)dsPIC33AK512MPS512 Family Programming Specification
dsPIC33AK512MC510 and dsPIC33AK512MPS512 Family Programming Specificationが公開されていました。
このドキュメントから、いくつかの新情報が明らかになっています。
今回は、その中でも特に注目すべき3点についてご紹介します。
1. 型式一覧とMPシリーズの記載なし
型式の構成は、以前の予想通りとなっていましたが、MPシリーズの表記が今回の仕様書では見られませんでした。
■MCシリーズ(モータ制御向け)
dsPIC33AK256MC205 / 206 / 208 / 210 / 505 / 506 / 508 / 510
dsPIC33AK512MC205 / 206 / 208 / 210 / 505 / 506 / 508 / 510
■MPSシリーズ(モータ&電源制御 + セキュリティ機能付き)
dsPIC33AK256MPS205 / 206 / 208 / 210 / 212 / 505 / 506 / 508 / 510 / 512
dsPIC33AK512MPS205 / 206 / 208 / 210 / 212 / 505 / 506 / 508 / 510 / 512
2. バックコンバータ搭載と外付けインダクタの必要性
コア電流の増加に対応するためか、10μHの外付けインダクタが必要になるとの記載がありました。
これは内蔵されたバックコンバータに関連するものと考えられます。電源設計時には注意が必要です。
3. デュアルパーティションフラッシュモードに対応
今回のファミリーでは、以下の2つのフラッシュ構成がサポートされていることが確認されました:
- シングルパーティションモード
- デュアルパーティションモード
特にデュアルパーティションモードでは、以下のような活用が可能です:
- ブートローダーの柔軟な実装
- CPUを停止させずに、実行中にアプリケーションの書き換えが可能
ファームウェア更新が求められる製品では、大きなメリットとなる機能です。
以上、新たに公開されたプログラミング仕様から分かった重要なポイントを紹介しました。
今後のdsPIC33AKシリーズを使った開発において、設計や選定の参考になれば幸いです。
追記⑧(25/5/3)Packs追加
MPLAB X IDEのPacksが更新され、dsPIC33A 2nd Generationに対応しました。これにより、MPLAB X上で同シリーズのデバイスをコンパイルできるようになりました。
現時点ではデータシートは未公開ですが、レジスタマップを確認する限り、これまでの予想通り非常に多くの機能が搭載されているようです。
| dsPIC33AK(MC1xx) | dsPIC33AK(2nd Gen.) | |
| AD | 2 | 5 |
| DAC付きコンパレータ | 3 | 8 |
| OPAMP | 3 | 3 |
| Bias | 4 | 4 |
| ITC | 0 | 32 |
| PWM | 4 | 12 (PWM1~8, APWM1~4) |
| UART | 3 | 3 |
| SPI | 3 | 4 |
| I2C | 2 | 3 |
| QEI | 1 | 4 |
| CCP | 4 | 9 |
| 32bitタイマー | 1 | 3 |
| IOIM | 4 | 16 |
| CAN | 0 | 2 |
| CLC | 4 | 10 |
| DMA | 6 | 8 |
| CRC | 1 | 1 |
| ??? | 0 | 1 |
気になる点をいくつか挙げたいと思います
1.ADCチャンネルの強化
dsPIC33AK MC1xxシリーズでは、ADC(アナログ・デジタル・コンバータ)が2ユニット搭載されており、各ユニットに20チャネル以上の入力を設定することが可能でした。
一方、新シリーズではADCが5ユニットに増え、AD1~AD4は各ユニットあたり8チャネル、AD5は1ユニットで16チャネルの入力が可能となっているようです。
2.コンパレータ付きDACの強化
5nsecで応答可能なDAC付き高速コンパレータも3チャネルから8チャネルに増強されました。
3.タッチコントローラの新搭載
まだ確実な情報は得られていませんが、レジスタマップを見る限り、アドレス範囲 0x0380 ~ 0x04B4 にかけて「ITC」という接頭辞の付いたレジスタ群が確認できます。
この「ITC」は、おそらく Integrated Touch Controller の略で、タッチ検出に使用されるモジュールではないかと推測されます。
4.PWMの強化
最大で78ピコ秒という非常に高い時間分解能を持つ、20ビット分解能の超微細なPWMチャネルが12チャネル搭載8ペア搭載、1.25nsecのモジュールが4ペア搭載(25/5/23修正)されています。これにより、極めて精密な電力制御やタイミング制御が可能になります。
5.CAN-FDの搭載
CAN-FDモジュールが2チャネル搭載されました。
6.CLCの強化
今回のアップデートで、CLC(Configurable Logic Cell)モジュールのチャネル数が従来の4チャネルから10チャネルへと大幅に増加しました。これにより、より柔軟なロジック構成が可能になっています。
ただし、機能面では大きな変更は見られず、従来と同様の仕様が多く残っています。特に、dsPIC33C系に搭載されているCLCは、8ビット系マイコンのCLCと比べてデータソースの選択肢が少ないという制限がありました。今回のモデルでもデータソースの選択は3ビットにとどまっており、その点がやや気がかりです。(25/5/23修正)
7.不明な機能の新搭載
アドレス範囲 0x7C3000 ~ 0x7C3088 にかけて「SDATACMD0~15」「SMATHCMD0~15」という接頭辞の付いたレジスタ群が確認できます。これも詳細は不明ですが高精度なトリガ制御やサンプリング制御が求められるアプリケーション用の機能でしょうか?(25/5/23修正)
追記⑨(25/5/19)エラッタ公開
dsPIC33AK512MPS512に関するエラッタが公開されました。
dsPIC33AK512MPS512 Family Silicon Errata and Data Sheet Clarification
現時点(25/5/19)ではデータシートは未公開です。発表が待ちどおしいです。
| 番号 | モジュール | 機能 | 問題の概要 | A1リビジョン |
|---|---|---|---|---|
| 1 | CPU | PCTTRAP | PCTTRAPは、無効化されていてもマスエラートラップの発生元アドレスをキャプチャする。 | X |
| 2 | DMA | バス読み取りエラー | DMAバス読み取りエラーフォルトビットがセットされない。 | X |
| 3 | PWM | PCI | PCIアクティブがラッチエッジ検出モードで終了しない。 | X |
| 4 | PWM | 補完モード | ソフトウェアオーバーライドの優先度が、現在の制限付きPCI(CLPCI)よりも維持されない。 | X |
| 5 | PWM | 補完モード | PCIアクティブ信号が1〜2個のPWMクロックサイクルの間短時間デアサートされると、デッドタイムが適切に適用されない。 | X |
| 6 | PWM | PCI | PCI SRラッチがRESETドミナントモードでリセットされない。 | X |
| 7 | PWM | EOC | リトリガブルモードで、リトリガイベントがEOCに近い場合、EOCイベントがブロックされない。 | X |
| 8 | PWM | LEB | LEBアクティブシグナルが設定よりも2クロック短くアサートされる。 | X |
| 9 | PWM | タイムベースキャプチャ | 手動タイムベースキャプチャが最初のキャプチャイベントの後に失敗する。 | X |
| 10 | PWM | TRIGx | TRIGx = EOCかつCAHALFがソフトウェアで変更された場合、トリガイベントが逆のフェーズで発生する可能性がある。 | X |
| 11 | PWM | PCI | 補完出力モードでPSYNCがPCIエッジ検出モードで有効な場合、PCIオーバーライドが適用される可能性がある。 | X |
| 12 | ITC | CVDアレイ | CVD/キャップアレイでのMake-before-break問題。 | X |
| 13 | ITC | RXガードピン | ITRCEXレジスタ内のガード設定が誤ったピンを制御する。 | X |
| 14 | QEI | インデックスイベント | クロック分周(INTDIV[2:0])が1より大きいと、インデックスイベントが見逃される。 | X |
| 15 | ITC | インデックスカウンタ | PIMOD[2:0]=0b001 のインデックスイベント時に、カウンタが0x00000001でロードされる。 | X |
| 16 | QEI | バッファオーバーフロー | Address Detectモードで原因とならないアドレスでもバッファオーバーフローが発生する。 | X |
| 17 | CCP | 出力 | ASDMG = 1 の場合、CCPがシャットダウンゲート入力0で出力を生成する。 | X |
| 18 | CCP | キャプチャ | CCSEL=1、IGSM=1のとき、CCPはエッジなしでタイマ値をキャプチャする。 | X |
| 19 | PTG | ソフトウェアトリガー | PTGSWTビットがハードウェアでクリアされない。 | X |
| 20 | PWM | ADCトリガイベント | LLCモードでTRIGy = EOCかつCAPTRENが設定されていると、TRIGyがEOCと等しくてもADCトリガが生成されない。 | X |
| 21 | DAC | DAC出力バッファ | 両方のDAC出力バッファが、電源レールに対して非線形である。 | X |
| 22 | CPU | トラップ | 正しいインデックス+オフセット移動でもエラートラップアドレスが生成される。 | X |
| 23 | GPIO | IO電流制限 | IOピンのソース/シンク能力が電気仕様より低い。 | X |
| 24 | SPI | オーバーフロー無視 | SPI受信機が、Ignore Overflowビット設定時にオーバーフロー後もランを継続しない。 | X |
| 25 | SILICON | 温度バリアント | シリコンはI-temp(-40℃〜85℃)のみ対応し、E-temp(-40℃〜125℃)には非対応。 | X |
追記⑩公式ページ公開(25/5/23)
ついに公式ページでdsPIC33AKシリーズの2世代目が公開されました。
おおよその予想は当たっておりました。
不明だった「SDATACMD0~15」「SMATHCMD0~15」などについては、タッチコントローラに関するレジスタ群の模様です。
またSecurytyモジュールとして暗号化アクセラレータが搭載されています。
使い方などに関しては追って調査いたします。
「CLCのデータソースが3ビットしか無く、データソースの選択肢が少ない」といった懸念が有りましたが、特定のモジュール出力ではなく、バーチャルピン接続が割り当てられてられているようなので、非常に活用範囲が広がったかと思います。
dsPIC33AK512MPS512 | Microchip Technology

追記⑪dsPIC33AK512MPS開発ボード販売開始(25/6/14)
Microchip DirectのページにてCPUボード(EV80L65A)が販売開始となったので、さっそく購入してみました。6月9日に注文し、6月14日にはFedExで無事到着。配送は非常にスムーズでした。

ファーストインプレッションというか、ひと通り試してみた感触としては、書き込みは正常に行えるものの、デバッグ機能に問題が発生しています。
具体的には、以下のような症状です:
- MPLAB X IDE上からのプログラミングモードでの書き込みおよび実行は可能
- MPLAB X IDE上からのデバッグモードでの書き込みおよび実行は可能
- デバッグモードでの、ブレークポイントでの停止するが、デバッガ自体が停止してしまう
- IDE上で一時停止ボタンを押すとデバッガ自体が停止してしまう
この現象は、ベースボード内蔵のPKOB4デバッガだけでなく、外部のPICkit 4を使用しても同様に発生しています。
開発環境は以下のとおり、ほぼ最新の構成にしています:
- MPLAB X IDE v6.25
- XCコンパイラ(DSC用)v3.21
- PICkit4 Tool Packs v.2.9.2298
- デバイスファミリーパック v.1.0.81
それでもなお症状が発生しているため、ボード固有の初期不具合、またはデバッガ対応状況に何らかの問題がある可能性も考えられます。
Reception on endpoint 129 failed (err = -10121)
A communication error with the debug tool has occurred. The tool will attempt to recover momentarily. A log of the error was created at ■:\■■\■■\■■\dsPIC33AK\dsPIC33AK512MPS512.X\queuelogs\debugtool.txt
Unable to run the target device.
初期リリース直後のハードウェアやツールチェーンでは、こういった挙動が見られることもあるため、今後のMPLAB Xのアップデートやデバッガファームウェアの更新で改善される可能性もあると考えています。
現時点での回避策としては、デバッグ機能を使わず、プログラムの書き込みと実行のみに用途を絞ることで、ある程度の検証は進められそうです。
ただし、ブレークポイントやステップ実行といった機能が使えないのは開発効率に大きく影響するため、本格的な開発用途では注意が必要です。
追記(25/6/15)
デバッグができない問題の原因は、どうやら「Tool Packs」のバージョンにあるようです。
実際、以前は正常にデバッグできていたdsPIC33AC64MCシリーズでも、同様にデバッグ不能な症状が発生しました。
そこで、最近のPICkit4 Tool Packs(バージョン2.9.2298)やPKOB4 Tool Packs(バージョン1.20.1560)をアンインストールし、ひとつ前のバージョンに戻したところ、dsPIC33AC64MCシリーズやdsPIC33CK256MPSシリーズのデバッグが再び可能になりました。
追記⑫ デジタル電源プラグインモジュールの追加
デジタル電源プラグインモジュールがラインナップに追加されました。
dsPIC33AK512MPS506 Digital Power Plug-In Module (PIM)
本製品は以下のような、LLCコンバータやPFCコンバータといった電源回路に直接接続できる構成となっており、これによりデジタル電源のプログラム開発を容易に行えるよう設計されています。
50W INTERLEAVED LLC CONVERTER DEVELOPMENT BOARD | Microchip Technology
LOW VOLTAGE PFC DEVELOPMENT KIT | Microchip Technology


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